サラリー(英語salary)
ラテン語salarium「塩を買うための金」から。sal「塩」に基づく。
cf. 「塩の代金としてのロ−マの軍人への給料」の意味になり、今の「給料。月給」に。
サンタ=クロース(英語Santa Claus)
4世紀頃、小アジアにいた聖ニコラウス(San Nicolaus)から。中世オランダ語のSinterclaesが
Sint Nicolaesから。
cf. ニコラウスは子どもの守護聖人で、オランダの民間伝承がアメリカに伝わった。ニューヨークは
1664年(第二次英蘭戦争勃発の前年)に、オランダの植民地経営の基地ニューアムステルダム
(1625に建設された)がイギリス領となり改名されたもの。
ジェントルマン(英語gentleman)
「紳士。品行方正な男性」。
中世英語gentil「生れの良い」とman「男性」の構成。フランス語gentilhomme「貴族。紳士」に基づく。
また、フランス語gentil「親切な」はラテン語gens「種族」(派生語としてgeneratio「世代」generare「生
む」など)に由来する。
cf. 14世紀中頃から出現した新興地主階級ジェントリ「郷紳」が、同じ語源。
ジプシー(英語Gypsy)
「漂流民」
古代フランス語egyptien「エジプト人」から。はじめエジプトから来た人々と誤解された。チゴイネル、
ボヘミアン(10世紀に東スラヴ族のチェック人が建てたボヘミア王国の国名から。11世紀には神
聖ローマ帝国に編入された)とも呼ばれた。差別語の扱いを受けるようになり、現在はロマと呼ばれる。
ヨ−ロッパ各地に散在する漂泊民族。インド北西部が故郷で、箱馬車に住んで音楽、占いなどを生
業として流浪する人々。
ジャケツ、ジャケット(英語jacket)
「腰あたりまでの短い上着。毛糸で編んだ上着」
古代フランス語jacquet,jaque「短い上着」から。14世紀フランスでJacques(日本語の「どん百
姓」の語感に近い、農民への蔑称)がこの服を多く着ていたことからか? アラブ語のschakk「編
み目の布地」からか?
cf. 1358年、北フランスに起きた農民一揆ジャクリーの乱。当時のフランスはイギリスとの百年
戦争(1339〜1453年)の渦中にもあり、ペストの大流行(ピークは1348年)もあって国内は混乱
を極めた。
シャモ(タイ語Siam)
1939年に改称する以前のタイ国の旧称シャム(ロ)Siamの鶏が日本に入って、シャム(ロ)鶏と
言い、略してシャモとなった。
cf.シャムは他称でパーリ語(ということはインド人が呼んだ?)の「褐色」。タイが自称で「自由」の
意。民族名もタイ。
シャンパン(フランス語champagne)
炭酸ガスを含む白ブドウ酒の産地名で、フランスのChampagneから。主に酒宴で用いる。
cf. 中世西欧で定期市が開かれたパリ東南のシャンパーニュ地方(州)。ここは地中海商業
圏と北海商業圏の中間に位置して栄えた。
シルエット(フランス語silhouette)
「くっきり浮き出た形。影絵」
18世紀後半、ルイ15世時代のフランス財務長官シルエット(E.de Silhouette)の名前から。
彼は、1759年、事業に成功したが、同年11月には不人気になり落ちぶれた。そのことから、急速な
衰退や荒削りの意味になり、彼は節約家で「私の肖像画は影絵で十分だ」と言ったことから。
スク−ル(英語school)
「学校」
ギリシア語skhole「余暇」から。「学ぶための暇、時間」の意から、「学ぶ場所」
を意味するようになった。
cf. 中世西欧のスコラ学の名称もここから。スコラはラテン語のschola「修道院付属学校」。
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